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ご挨拶
 

  前会長、里吉榮二郎先生の後任として4月1日から、私、杉田が会長職をお引き受けすることになりました。国立精神・神経センター発足当時から、精神・神経疾患の研究促進のために、財団の必要性が検討されてきました。平成3年に精神・神経振興財団が発足し、初代会長は名取禮二先生、2代目が島薗安雄先生、3代目が里吉榮二郎先生、そして私が4代目の会長ということになります。

  この財団の設立・運営にもっとも貢献されたのは前会長の里吉先生でした。基本財産となる資金集め、発足に関する事務的処理など里吉先生のご努力がなければ今日の財団はなかったといっても過言ではありません。里吉先生はまだまだお元気で、もっと長く会長としご活躍していただきたかったのですが、一身上のご都合で勇退を決められました。その後の大役をお引き受けし、責任の重さを痛感しています。

  財団も発足当時は2人の事務員だけで運営されていました。それでも研究支援事業など精神・神経科学研究の振興に大きな役を果たしてきました。ささやかにスタートした財団ですが、現在では3つの委託事業(司法精神医療等人材養成研修事業、自殺対策のための戦略研究、こころの健康科学研究推進事業)をも担当し、総勢14人の方が働いていると伺っています。財団の発展は目をみはるものがあります。それも、前任の方々の努力があったからだと思います。

 私は今まで筋ジストロフィーを中心とした筋疾患の診療・研究に従事してきました。昭和57年から国立精神・神経センターに勤務し、主に筋ジストロフィーの研究を開始しました。私がセンターに赴任した頃は、病気の原因はまったく分かりませんでした。10年後の昭和62年にアメリカボストン小児病院のクンケル博士が、筋ジストロフィーの中で一番重症であるデュシェンヌ型の遺伝子をクローニングされ、ジストロフィンという蛋白が欠損していることがわかりました。翌年、私たちがジストロフィンは筋細胞膜に局在することを明らかにしました。その当時は研究費もほとんどなく、海外に成果を発表する時はボーナスの大半を使用して行っていたことを思い出します。財団があって、研究助成を受けられたら、どれほど勇気づけられるかわからないと思ったことでした。

    まだ財団は資金面で十分でなく、十分な研究助成や、広報活動をしているわけではありません。しかし若手研究者への研究費助成金は増加しています。また若手医師、研究者を対象としたセミナーなども助成するようになっています。 財団がその存在価値を示し、ますます発展するように努力させていただくつもりです。

 

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