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睡眠コラム

睡眠に大切な物質

◇よい眠りに大切な必須アミノ酸 トリプトファン:
大豆、魚、肉、乳製品、卵などに含まれるトリプトファンは脳内に運ばれるとセロトニンを作る原料になります。朝食にトリプトファンを摂ることでセロトニンが増え日中の活動が快適になります。

◇よい眠りに大切な神経伝達物質 セロトニン:
セロトニンが活発に働くことで脳全体が活性化され、心が安らぎ、元気に活動できるのです。うつ病の人にセロトニンが少ないことも知られています。 日が沈むとセロトニンに別の酵素が働いてすいみんホルモン「メラトニン」が作られ、夜がふけていくとメラトニンの働きでぐっすりと眠りにつくことができます。このプロセスには、太陽の光が大きく影響しています。

◇『睡眠ホルモン』 メラトニン:
人間が眠気を感じたり、起きたりする時はこのホルモンが作用します。メラトニンは、昼間はほとんど分泌されず、夕方から夜間にかけて多く分泌されるようになっています。メラトニンの分泌は年齢とともに減少するため、メラトニン不足が高齢者の睡眠障害の原因の一つと言われています。このように、すいみんホルモン「メラトニン」を増やすには、朝の光と朝食が重要なことがわかります。

 快適な眠りのカギは朝の陽ざしとバランスのとれた朝食から。

 

初 夢

 ふじたかなす

  皆様は新しい年明けにどのような夢をみたり、ねがい事をしたでしょうか。  初夢は昔から「一富士、二鷹、三茄子」など縁起のよい夢とされていますが、このような夢をみた方はいますか? もしかして昨年富士山が世界遺産に登録されたこともあり、富士山と関連したいろいろな夢が出てきたかもしれません。 私は2日に夢をみました。ふらふらと空を舞っている夢です。楽しいのか不安定なのか、あまり感情がないようでしたが、やりかけの仕事を放って何かもやもやがあったのかもしれません。

 「夢」とは眠った時にみるもので、その中に「希望」という意味が込められているのは全世界共通のようです。夢は本来楽しくて好きな現象ですね。ところが、震災の後や戦時下などおちおちと眠れない状況では、眠れない、眠っても悪夢ばかりということが起こります。このような悪夢は眠ることへの恐怖をかきたて悪循環となります。日本には奈良時代に悪夢を良い夢に変えるという夢違え観音がつくられ、今も多くの人が参拝しています。実際にご利益を賜った人も多いようです。 地球

 さて現代のサイエンス社会は、脳科学でもすばらしい進歩をとげています。 私は子どもの頃から眠る前に自分のみたい夢を頭のなかに描きながら眠りについたことがしばしばありました。しかしそれは実現できませんでした。また自分のみた夢をテレビの画面に写し出すことが出来る時代が来るのではないかと思っていました。 近未来にはロボットがヒトのこころを読むことが可能になる?ともいわれています。悪夢で苦しむ方々の夢を良い夢に変え、心地よい睡眠をとることができるようになるかもしれません。 さて、もっと大切なことは、誰でも安心して眠れる平和な社会を実現することかもしれません。電車のなかでも安心して眠れる平和な社会、睡眠不足のない社会などをテーマにして、日本発の「睡眠健康立国」として宣言することが私の夢です。

朝起きられないが劇的によくなった患者さん

 寝つきが良く、途中で目覚めることもなく毎日10時間以上も眠ってしまう人がいます。そのために起きなければならない時間に起きれずに、学校や職場に遅刻するなどの問題が出てきます。そういう方が時々私の外来にもこられますが、ほぼお手上げです。そんな中ですっかり治ってしまった2人の方をご紹介しましょう。

女子  小さい時から「眠り姫」と言われたほど良く寝る子だったそうです。小学校に入ってからも朝起きが苦手で、起こすのに母親が1時間以上もかけてやっと起きていました。遅刻もたびたび、でも欠席はなしです。母親は起こすのにくたびれてしまい外来を受診されました。bookできるだけ早く床に入り、朝目覚めたらすぐに眠気のかるくなる薬をのんでいただくなどいろいろ工夫しましたが、あまり変わりませんでした。それが6年生になって集団登校のリーダーになってからは母親が2~3回声をかけるだけで起きれるようになりました。学校の先生からも褒められるようにもなりました。みんなの先頭になって登校するのが楽しそうです。

サラリーマン

 子供の時から睡眠時間が長く朝の起床は苦手だったそうです。ある時、3ヶ月ほど残業が続き、睡眠時間も5時間足らずになり、ついにダウンしてしまい休職する羽目になりました。その途端から昼頃まで起きることが出来ず、なかなか復職のめどが立たないでいました。ところが休職3ヶ月を過ぎたころに、住んでいるマンションの理事長の順番がやってきました。元来真面目な方でしたからその仕事には力を入れ、住民から信頼を寄せられるようになりました。そのころから少しづつ起きる時間が早まって、さらに3ヶ月後には見事復職を果たしました。

 

 このお二人の長時間睡眠者と呼んでもよい方々が、なぜ早く起きられるようになったのか確実な事は言えませんが、共通していることは新しい役割を与えられたこと、周囲の信頼、称賛を得たこと、そして責任を自覚したことです。このようなポジテイブなストレスが覚醒時刻を早めているのかもしれません。